資料館ノート
虎屋の虎(御撫之虎)
現在仙台市青葉区国分町には、「虎屋横丁」と呼ばれる仙台一の歓楽街があります。その名前の由来となっているのが、この「虎屋の虎」でした。
江戸時代、仙台城下であった国分町と東一番丁をむすぶ横丁に「虎屋」という薬店があり、店先に大きな木彫りの虎の置物が飾られていたことから「虎屋横丁」と名がつく由来となったと言われます。江戸時代後期に虎屋が廃業後、国分町の有力者が所有し、明治天皇が明治9年(1876年)に東北を巡幸した際に虎の頭を撫でたことから「御撫之虎」とも呼ばれ、話題を集めました。
その後行方不明になるも、大正12年(1923年)に仙台市内に住んでいた住民の方が購入し長年自宅で保管されていましたが、平成23(2011年)年3月の東日本大震災で自宅が被災し取り壊すことになり、平成28年(2016年)7月にここ仙台市歴史民俗資料館へ寄贈されました。
長い年月を越えて当館へとたどり着いた「虎屋の虎」は、平成28年11月より1階ロビーにて常設展示を行っております。
「虎屋の虎(御撫之虎)」(木製)
高さ73センチ・奥行き70センチ
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●目
愛嬌のある大きな目には、透明な材質
が使われている。
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●牙
いかにも虎らしく鋭く伸びた長い牙は、
象牙で作られている。 |
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