資料館ノート
資料館ノートでは、主に仙台地方の民俗や歴史に関わること、また収蔵資料のトピックスなどを順次紹介していきます。
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仙台市歴史民俗資料館建物
現在仙台市歴史民俗資料館として使用されている建物は、明治7年(1874)竣工の陸軍歩兵第四連隊の兵舎を移築したもので、宮城県内に現存する最古の洋風木造建築物です。
構造は、木造二階建て寄棟造瓦葺で、布基礎は安山岩の切石積み、壁は漆喰塗りです。外観には、洋風円柱のポーチや建物の角隅を装飾した玄昌石のコーナーストーン、館内には、雲形の彫刻をもつ階段、ガラス入り上下窓などの特徴がみられます。
兵舎は、第二次世界大戦が終結する昭和20年(1945)8月までの約70年間、旧日本陸軍に使用されました。終戦後は、昭和31年(1956)6月まで米軍が駐留し、返還後の同年11月から昭和50年(1975)まで東北管区警察学校となりました。
その後、榴岡公園の整備に伴い昭和52年までに建物の多くは解体されますが、最も保存状態の良い兵舎1棟が残され、昭和53年(1978)6月16日に「仙台市指定有形文化財」(建造物)に指定、また令和5年(2023)3月24日より「宮城県指定有形文化財」(建造物)に指定されました。
現在の資料館の場所への移築復元は同年11月1日着工、昭和54年(1979)3月31日に竣工し、明治37年(1904)当時の外観構造に復元保存されました。そして、翌昭和54年11月3日に仙台市歴史民俗資料館として開館しました。
●歩兵4連隊/明治41年 |
●昭和50年当時の榴岡
連隊時代のおもかげをとどめている。 |
●現在の資料館 |
●洋風上下式窓 |
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