高さは大人の背丈とほぼ同じで木製。全体にタールが塗られて防水加工がされています。上蓋はねじで止められるようになっていて、そう簡単には開けられそうもありません。きっと「大事な何か」が入っていたのでは、と思わせますが、実はこれは下肥になる人糞尿を運ぶ運搬容器「四っ樽（よったる）」です。名前の由来は馬車に四本単位で積まれることが多いことによります。
　仙台近郊の農家では市街地の民家や学校、会社などと契約して人糞尿を確保して、これに入れて運びました。昭和30年代まではこのような光景が見られました。集められた「大事な何か」は肥溜めで発酵させてから下肥として畑などの肥料になりました。
　独特の「香り」とともに、むかし見た記憶を思い出される方もいらっしゃるかもしれません。